私は幼い頃から一人で遊ぶのが好きだ。絵本を読んだり、レゴで何かを作ったり、リカちゃん人形で遊んだり、マイペースでいられることを重視していた。孤独こそ最高の自由なのだと思う大人へ育って今に至る。
幼稚園に通っていた頃も私は一人で遊んでいた。私の何が良いのかわからないけれど、ユウコちゃんという可愛くて活発な女の子が、私とよく遊びたがっていた。ユウコちゃんは外へ出て遊ぼうと言う。どっちが速く走れるかとか、縄跳びを何回続けられるかとか、ブランコで二人乗りしようとか、およそ私には興味のないことで遊ぼうと言うのだから困ったものだ。性格的にも合ってないように思う。しかし、もっと困っていたのは、ユウコちゃんの口臭がウンコの臭いがすることだ。ものすごく臭い。ウンコを食べているのではないかと本気で思うほどだ。でも、幼いながらにもユウコちゃんの口がウンコ臭いと言ってはいけないと、ちゃんとわかっていた。
私はユウコちゃんの口臭に耐え続けられず、ユウコちゃんを避けるようになった。私なんかと遊ばなくても、ユウコちゃんのように活発な子と遊べば楽しいはずだ。その旨を伝えてもユウコちゃんは私と遊びたがり、苦々しい思いをする毎日が辛かった。
私にも限界があり、ユウコちゃんを避けるだけでなく、無視せざるを得ない状態になっていた。それを誰に何と言って説明するのか幼い私にはわからなかった。ひたすら無視をきめこむと、ユウコちゃんはワンワン泣いて、先生に言いつけてやるみたいな捨て台詞を吐いて先生の元へ行った。当然、私は先生に怒られた。
「どうしてユウコちゃんと遊ばないの?ユウコちゃんはリサちゃんをとても好きなのよ。ユウコちゃんは何も悪いことしていないのに。どうして?何がイヤなの?」
と質問攻めされ、私の心のダムが決壊した。
私はワンワン泣いて、「言えないよ~それは言えないよ~」と連呼した。
先生も「何が?どうして言えないの?怒らないから言ってごらん」とまくし立てる。
ついに私は、「だってユウコちゃんの口が臭いんだもん、ウンコの臭いがするんだもん…」と言ってしまった。言ってはいけないことを言うのは、ものすごく辛い。口臭をウンコと言われたユウコちゃんも更に泣いた。先生は怒らないからと言ったくせに、私をひどく叱った。ユウコちゃんに謝れだとか、先生はユウコちゃんの口は臭くないと思わないだとか言われた。私は「理不尽」という言葉を知らなかったので、ひたすら泣き終わるまで泣くしかなかった。
これは私が悪かったのだろうか。最後までユウコちゃんを配慮していたのに、私は悪者なのだろうか。ユウコちゃんが日々、何を食べていたのかが気になる。あのウンコ臭は何だったのだろうか。その後、ユウコちゃんは他の子と遊ぶようになり、小学校、中学校も同じで、何度か同じクラスになったけれど、お互いに不愉快な思いをしたので、付き合いはなかった。(文・ねぎ)


