勘違い

エッセイ

 私が長年付き合っていた男性は、救いようがないブサイクなのに、自分はイケメンだと信じ込んでいるのが理解できない。この彼とはもう恋人ではないけれど、気心が知れているので友人として付き合いがある。10代からずっと見てきたけれど、何歳になろうと彼はひたすらブサイクだ。この彼の甚だしい勘違いを紹介しようと思う。

まずは彼の永遠の憧れ、甲本ヒロトだ。確かにヒロトはカッコいい。我々の世代なら憧れている人は多いだろう。しかし、彼はヒロトとどういうファクターがあって自分に似ていると勘違いをしたのだろうか。ヒロトが小豆色の細いパンツを履いていたこともあり、似たようなパンツを後生大事に履いていた。

続いて、彼は三浦春馬に激似だと思い込んだ。渋谷駅で三浦春馬の広告がデカデカと掲げられているのを見て、「これ誰か知らないけど、俺にそっくりじゃない?よく見てよ、似てない?」と言って、私が似てないよと言っても、しつこく似てる似てると言うので、「さようですね」としか言えなくなってしまった。

続いて、国民的なアイドルグループSMAPの草なぎ剛だ。私はSMAPでは草なぎくんが一番好きだ。そのアイドルに自分が似ているなぞ、なんと図々しいことを思うもんだと苦々しい気持ちになったにはなったけれど、顔の骨格は遠からず…彼からほんの少しの草なぎくん臭は感じていた。それを認める人は世界に私だけだろう。

続いて、羽生結弦くんだ。性別が男で、目と鼻と口があって、肌が白くて、痩せている。これ以外に共通点は皆無だ。よくまぁこんな勘違いができるものだ。この思い込みの強さを他で発揮することはできないのだろうか?

最近は朝ドラの影響なのか、神木隆之介に似ている気がするらしい。バカらしくて聞いていられないが、悔しいことに私はこの勘違い男に一目惚れしたのだ。予備校で知り合ってから1周間後には、付き合うようになった。人間は外見じゃない、中身なのだ。ちなみに、この写真は本人も気に入っているほど、良く撮れた写真なのだ。
(文 ねぎ)

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