メイク

エッセイ

 私もいよいよ本格的なオバサンになったせいか、最近どうも若い女の子がみんな同じ顔に見える。昔から母はテレビに出る子はみんな同じ顔をしていると言っていて、そんなバカな、それぞれがそれぞれの顔をしているはずだとその頃は思っていた。実際、モー娘。はみんな違う顔をしていたし、ボンヤリと名前も覚えていた。私は加護ちゃんにグっときていた。大好きだった。

 しかしAKB48の類のアイドル達は、同じような顔に見える。単に同じ服装で、同じようなメイクをして、同じ踊りをしているから、見分けがつかなくなるのは自然なことだけれど、ここまで同じ顔だと怖い。ロボットのようだ。

メイクの流行りはあまり知らないが、最近の若い女の子は涙袋がすごく強調されていて寝不足気味に見える。眉毛も下がり気味で困っているようにも見える。そして唇がリスみたいにモグっとしている。未だにアヒル口は良しとされているのだろうか?私は中川翔子のモグっとした唇が気持ち悪くてしょうがない。中川翔子をなるべく見ないようにするほど、あのモグっとした感じに何故か嫌悪感をいだいてしまう。

 こんなことを考えるようになったというのは、私がオバサンになったからなのだろう。間違いなく私の目には、若い女の子はみんな同じ顔をしていると認識している。もういい、私は立派なオバサンだ。老いや重力に反抗するのがロックだと思っていた自分とお別れだ。時の流れに身を任せる歳なのだ。

 身の回りの若い女の子と言えば姪がいる。27歳、まだまだ若い。姪なりに女子力を上げているのか、化粧をするようになった。それがまた下手で面白い。小さな目にピンクのシャドウを乗せて、マスカラがダマになっている。チークが濃い目でおてもやん状態。ファニーな仕上がりなので特に助言はしなかった。

 はじめから化粧が上手な人なんて滅多にいない。誰もが失敗や勘違いを繰り返して、上手になっていくものだ。私も沢山の勘違いをした。アヴリル・ラヴィーンのように目の周りを真っ黒く囲んだこともあった。最近はアイメイクを控えめにしている。濃いと老けて見えることに気付いたのだ。メイクの見直しを定期的に行っていかないと、痛いオバサンになってしまう。私も若い女の子のような化粧をしたらどうなるのか…多分、同じような顔にはならないだろう。(文・ねぎ)

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