十数年間、私に様々な「便利」を与えてくれたパソコンがお亡くなりになった。OSはWindows7から10まではアップデートできたけれど、11には対応していなかった。パソコンが壊れたわけでもないのに、Windows11に対応していない状態がなんとなく不安で、2年前に新たに安いLenovoのパソコンを買った。
安かろう悪かろうは本当にあるようで、今使っているLenovoのパソコン(以下おバカさん)は、ものすごく面倒くさい性格をしている。買って10日ばかりの状態なのにリカバリをしなければならない状態になった。リカバリしてしまえばサクサク動く便利なパソコンになってくれたかと言うと、ことごとくその期待を裏切るのだ。右クリックして新規作成を選んでクリックする、それだけで30分もかかるのだ。もう動作はモッサリどころか牛歩だ。それでいておバカさんは電源ボタンの当たり判定は機敏かつ厳しく、少し指が当たっただけでシャットダウンしてしまう。再度電源を入れても「Lenovo」という文字が出ているだけの状態が2日続いたりもする。DVDを入れてもうんともすんとも言わず、外付けのDVDドライブを使わないことには、何も見られない。私が何か無茶な操作をしておバカさんを混乱させたわけではない。私なりに丁寧に接しているのに知らんぷりするおバカさんを、窓から放り投げたいほど憎らしく思った。
私は長年使ってきたパソコンをメインで使い、おバカさんには音楽を流したり、YouTubeを流したりと、パソコン1台で済むものを2台でやっているのだから、私の虚しさは誰にも計り知れないだろう。
もし、おバカさんを買う前にiPadを持っていたら、私はおバカさんを買わなかったかもしれない。その頃、一応タブレットは持っていたけれど、そのタブレットもまたバカで、おバカさんと同じように音楽やYouTubeを流すだけの用途しかなかった。私はiPadを他人様からいただいて使ってから、もしかしたらパソコンが無くてもiPadだけで私は十分なのではないかと思うようになった。少なくとも、おバカさんよりiPadの方が何百倍も便利だ。
しかし、何の予兆もなく長年使ってきたパソコンがお亡くなりになって、おバカさんを使わざる得なくなった。おバカさんの良い所は、見た目がスッキリとスタイリッシュな所だけだ。一応、今こうして文章を打つことはできるし、音楽も聴けるけれど、いちいちストレスが溜まるように動くおバカさんを、私はいつまでも疎ましく思わなければならないのだろう。そう遠くない未来、私はおバカさんと別れるような気がする。(文・ねぎ)

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