キャンプ

 野宿をしていて焚き火をしている時、炎が大きいと火事になるんじゃないかと不安になる。 小さな炎を眺めているのが好きだ。しかし考えた。この小さな炎は100円ライターを利用した火だ。野宿に使われる火に相応しくない。火に変わりがあるわけではないのに、我ながら変な理屈、変なこだわり方である。だが実は僕の脳みそは何でもないことに妙にこだわるようにできている。医師にそう言われたことがある。なるほど。納得である。いままで「お手軽簡単お気楽極楽」をポリシーとしてきたがこれからは改めよう。脳みその言うとおりにしよう。こだわるときはこだわることにしよう。

 では野宿に相応しい火とはどんな火か。自分でこしらえた火。手間をかけて手にいれた火。原始人がやっていたのと同じ方法で得られる火である。そんな火を眺めながらお酒をチビチビ。いい感じだ。では原始人が火を得るために使った道具を探そう。火起こし器。

インターネットで検索したところ「仮説社」というメーカーの製品がヒット。それによると火起こし器にはきりもみ式、ゆみぎり式、ひもぎり式、まいぎり式の4種類がある。このなかで一番原始的なきりもみ式を選んだ。やり方は、板のくぼみの上で棒を両手ではさみ両手を擦り合わせるように動かし、棒を回転させる。ちょうど大工道具の錐(キリ)を使うときの要領。火起こし器のなかでぬきんでたシンプルさ。一番原始的。早速購入。送られてきたのは棒1本と板1枚。しかし、侮るなかれ。これぞ人類の未来を決定づけた文明の利器なのである。その理由は火を得ることで人類は暖をとることができるようになり寒冷地への進出が可能になった。また大型の肉食獣から身を護ることができるようになった。夜や光の無い場所での活動が可能となった。近代では火による水蒸気機関が使われるようになり産業革命へと繋がった。

早速森のなかであぐらをかいて火起こし開始。1時間たった。板のくぼみが熱を帯びていることは確認できたがそれだけ。汗だく、くたくた。原始人は体力あったんだな〜。何時間やっても夕方になっても煙も出ないし、焦げ目もつかない。かっこつけないでほかの方法にすればよかった。しかしメーカーのコメントによると「体力勝負だけど熟練すれば他の方法と同じぐらいの時間で火を起こせるようになる」とのこと。

今日のところは100円ライターの火で我慢しよう。けれど諦めないのだ。野宿のとき又はそれ以外のときでもきりもみ式火起こしにチャレンジする所存でありますのだ。
(ポッキー)

仮説社(Kasetsusya) 火起こしセット
きりもみ式
ゆみぎり式
ひもぎり式
まいぎり式

 ※使用している写真は、公式ホームページから引用しています。

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