サンカ

キャンプ

 一人では生きていけないくせに人間嫌い。協調性がなく、集団生活、集団行動が不得手。いつもひとりで遊んでる。人見知りが激しく人前に出ること、人前で話すことを極端に嫌う。飲み会なんか出ない。酒が飲めないわけではなく、むしろその逆で酒好き。ひとりで静かに酒を飲むことをなによりも楽しみにしている。カラオケはひとの歌を聴くことも自分で歌うことも絶対しない。

そんな僕の楽しみは一人で野宿することだ。必要最低限の装備で屋外で夜明かしする。キャンパーではない。強いて言えばサンデーホームレスか。屋外の静かなところで一人で過ごす。森、林、神社や寺の境内、公園、河川敷、空き地、閉店後のアーケード街などを転々とする。放浪癖か?家がないわけではない。平日は自宅で過ごす。週末、人間社会から開放されると(金曜日の夜の早いうちに)逃げるようにして外に出る。人間社会からの逃避だ。

テレビは見ない、ラジオは聴かない、新聞は読まない、近所付き合いはしない、町内会にも入っていない。旅をしながら暮らしたい。

そういう意味で僕はサンカに興味がある。サンカのように暮らせたらいいなと思う。サンカとは1960年頃まで日本にいた定住しない漂泊の民である。彼らの住居は天幕を張っただけのもので河川敷や山間部の開けた土地などを移動しながら暮らしていた。生業は竹細工で箕、ザル、籠などを作り農家の庭にこれら竹細工を置いていく。農家は竹細工を引き取り竹細工の置いてあった場所に現金を置いておく。サンカは庭に農家のひとがいないときにやってきて現金を持ち帰る。

やがて彼ら一家は別の場所に居を移す。現在サンカはいない。定住化が進んだためである。しかし子孫はいるはずだ。平成に入ってホームレスのひとが荷造り用結束バンドで籠を作っているのをみたことがある。末裔か?サンカのことを知りたい。

Amazonで「サンカ」を検索。ヒットした。

沖浦和光著 幻の漂白民・サンカ(文春文庫)

ツェルトのなかでキャンドルランタンをともしながらその明かりで本を読む。いいかも。野宿も読書も一人遊びだ。今週の野宿はこれで決まり。

(文・ポッキー)

 ※使用している写真は、Amazonから引用しています。

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