ヘンナ野宿

キャンプ

山の斜面が夕日で真っ赤に染まっている。今日はこの山の麓の白樺林で野宿だ。この場所に来ることは多い。土日あるいはそれ以外でもまとまった時間があるとここに来る。お気に入りの場所だ。日が暮れるまで読書。日が暮れた。キャンドルランタンにあかりをともし、タバコを一服。

 野宿に持って来るのが初めての物がある。Lixada三角薪ストーブ ステンレス鋼薪ストーブ。Amazonで購入した。高さ8.3cm重さ167グラムとコンパクトで軽量。バックパック用だな。燃料は小枝。現地調達。点火してみる。白樺の小枝がはぜる音とともに控えめな炎がともった。キャンドルランタンを消してストーブの炎に見入る。癒やされる。タバコに火を着ける。お酒をそっと口に流し込む。少し気持ち良くなる。カンパンを齧る。

幸せだ。小さな焚き火。本来焚き火は地面に直接焚き木を置いて火を点けるけれど、それだとフィールドに焼跡ができてしまう。それを防ぐためにストーブを使う。自然の中に残すのは足跡だけ。焼跡は残さない。ポケットにスルメを入れてきてこのストーブで炙って食べるぐらいは控えめ、質素を標榜する我が野宿のなかでも許されると思う。

 うん、許す。

お酒がいい具合にマワッテきた。火を手に入れた原始人に思いを馳せる。火を消さないように小枝を焚べながらなおも火に見入る。

ふと目を上げると目の前に怪獣王子が座ってた。彼が「ォオラー」と叫ぶとネッシーが現れた。彼が背中に担いでいたブーメランを夜空に向かって投げるとエゾオオコウモリが墜ちてきた。彼はそれをストーブの火で炙って食べ始めた。食べ終わると彼はネッシーの頭に乗り「ォオラー」と叫び闇の中に消えていった。あたりは静けさを取り戻した。なんだかヘンナ野宿だ。

 星空を見上げた。流れ星が一筋。

フー。

そろそろ寝るとするかぁ。(ポッキー)

 ※使用している写真は、Amazonから引用しています。

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