怪獣王子

キャンプ

頭を蹴られた。後ろから。カラスに。くわえていたタバコが前にとんでった。のどかな田園風景の中でのできごと。もし他の人が見ていたらこのまぬけな光景を笑うだろう。

よし、リベンジだ。方法を考えた。カラスに一撃。え〜っと、ん?ブーメラン!懐かしい!子供の頃テレビでやってた「怪獣王子」の主人公が使ってたやつ。おもしろそう。獲物(鳥)に向かって投げる。命中しなかったら回転して戻ってくる。早速Amazonで検索する…..あるある。いろんなの。スポーツにもなってるみたい。

そのなかでラングスジャパン(RANGS) ソフトアウトドア ブーメランが「怪獣王子」のブーメランと形が似てる。これならカラスを殺さずとも一撃ぐらいはオミマイできるかも。買いだ。

届いたブーメランで「カラス攻撃」の練習。

最初のうちは投げてもなかなか戻ってこない。どうやらコツがあるらしい。グーグルで調べたら風向きと投げる角度が重要らしい。少しづつ戻ってくるようになってきた。最後は戻ってきたブーメランを自分でキャッチできるようになった。よし、カラス一撃作戦発動ヒトヨンマルマル!

カラスに蹴られた場所に立つ。予想どおりカラスが旋回飛行で僕の後上方に廻り込む。その刹那僕は後ろに向き直りブーメランを投げた。ブーメランはカラスめがけて飛びカラスに命中したかに見えた。がスンデのところでカラスはカラダをバンクさせ攻撃をかわすと同時に僕を攻撃してきた。僕はしゃがんでカラスをやりすごす。カラスに当たらず戻ってきたブーメランをキャッチする。カラスは旋回しながらまた今と同じ攻撃コースに入る。その際少し間延びした鳴き声を発した。

僕はブーメランを投げるがまたかわされた。こんなことを何回か繰り返しているうちに、もう一羽別のカラスが現れた。そしてもう一羽。また一羽。さっきの間延びした鳴き声は仲間を呼ぶ合図だったらしい。いまやカラスの数は50羽ほどに達している。波状攻撃をかけてくる。収拾がつかない。森の木立のなかに逃げ込んだ。森の中は木が邪魔してカラスは蹴飛ばし攻撃をすることができない。

ふー。やれやれ。やめときゃよかった。森の外ではまだカラスたちがさわいでいる。ヒッチコックの映画みたいになっちゃった。森をでられない。どうしょう。夜暗くなるまで待とう。たくさんのカラスたちに姿格好を覚えられてしまった。明日から昼間外に出られない。着ている服を替えて、用心のためフェイスガード付きヘルメットをかぶることにしよう。Amazonで探さなきゃ。

 そんなわけでカラスには手を出さないほうがいいみたい。人に聴いたらカラスといえども鳥獣保護法で保護されているらしい。

ブーメランは純粋にスポーツとして楽しみましょう。

なお、文中の「怪獣王子」に興味がお有りの方はググってください。それでは「ォオラー」

(文・ポッキー)

 ※使用している写真は、Amazonから引用しています。

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