『本を捨てられずに困っている人』への処方箋

本の処方箋

🔷処方箋フレーズ🔷

《安心してください。本は1冊も捨てなくて大丈夫です!》

『集中できないのは、部屋のせい。東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片付けメソッド37』
(米田まりな・著 PHP研究所・出版) より

休日、何時間もかけて片付けたはずの部屋が一週間もたたずして、元の散らかった部屋に戻ってしまうこと、ありませんか?
部屋に物が散らばっていると、集中力が低下していくし、「あれはどこ?」と探し物が多くなってしまう。
コロナ禍で、在宅勤務が増えている今、部屋が乱れていると困ってしまうことの方が圧倒的に多い。
なぜ、そう断言できるかと言うと、私の部屋が物(特に本!)であふれかえった乱雑な部屋だからです。
つまりは実体験ですね。
目が回るほど忙しい生活を送っているわけでもないのに、昔から「整理」「収納」「整頓」が大の苦手で、いくども「片付け」関連の本を読んでは挫折してきました。
そもそも、おしゃれな部屋作りは上級者すぎてむずかしいのです。
あとは個人的に、「一年以上読んでいない本は一生読まないから、捨てましょう!」と説いている片付け本とは相性が悪いです。
一般的に一年以上読んでいない本は、ゴミと同義なのかもしれませんが、私からしたら未読の本は宝の山です。
「捨てるなんてできない!」と大事にとっておいたら、気づけば未読本の山ができていました。


「やはり、未読本は手放すしかないのか」と諦めかけていた時、こりずに読んでいた「片付け本」(本書)に
《安心してください。本は1冊も捨てなくて大丈夫です!》
という文字が。
今までの「片付け本」にはなかった言葉を、食い入るように見つめました。
やり方は、そんなに難しくありません。
本棚から(私の場合は床にできた山からも)すべての本を取り出し、1冊ずつ手に取ってグループ分けしていくだけです。
まずは、「読んだ本」と「読んでいない本(読み途中の本も含む)」にざっくり分けます。
そこから、少し細かく分類(たとえば「読んだ本」なら、さらに、頻繁に手にとりたい本、再読したい本、文献価値の高い本、人に貸したい本、コレクション本、インテリアとして飾りたい本、に分けていきます)。
この時。小説、漫画、参考書……とカテゴリは無視します。
「その本が、自分にとってどのような存在か」という視点を持つことがポイント。
分類が終わったら、頻繁に手にする本以外は、箱に詰めて押し入れなどのスペースにしまいます。
この方法なら、1冊も本を捨てることもありませんし、「この本はどうして欲しいと思ったのだろう?」
「この1冊は、私にとってどんな効能があるだろう」と本と1冊ずつ向き合う時間もできます。
この記事では、「本を捨てられずに困っている人」を対象に、本書を処方いたしましたが、
「仕事に、勉強に集中できるシンプルな部屋づくりを目指したい」という方にもおすすめの1冊です。

(文・本の薬剤師)

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